近年、生涯未婚率の上昇や核家族化の進行により、おひとりさま(独身・身寄りのない方)の終活が注目されています。
「自分が亡くなった後、誰が手続きをしてくれるのだろう」「財産はどうなるのだろう」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、身寄りがなくても、事前にしっかり準備をしておけば安心して老後を過ごすことができます。 この記事では、おひとりさまが終活で直面しやすい課題と、それに備えるための具体的な方法をわかりやすく解説します。
おひとりさまが終活で直面する課題
おひとりさまの終活には、家族がいる方とは異なる特有の課題があります。まずはどのような問題が起こりうるかを把握しておきましょう。
亡くなった後の手続きを誰がする?
人が亡くなると、役所への届出、葬儀の手配、病院や施設への支払い、賃貸住宅の退去手続き、公共料金の解約など、さまざまな事務手続きが発生します。通常はこれらを家族が行いますが、身寄りがない場合、手続きをする人がいないという問題が生じます。
放置されると、行政が対応することになりますが、自分の希望どおりに進むとは限りません。
財産の行き先
遺言書がなく、法定相続人(配偶者・子・親・兄弟姉妹など)もいない場合、財産は最終的に国庫に帰属します。つまり、自分の財産の使い道を自分で決めることができなくなります。
「お世話になった人に遺したい」「社会貢献に使ってほしい」といった希望がある場合は、事前の準備が必要です。
入院・介護が必要になったとき
病気やけがで入院する際には、身元保証人を求められることがあります。また、認知症などで判断能力が低下した場合、預金の引き出しや契約の締結ができなくなるリスクがあります。
こうした事態に備えるための制度を、あらかじめ知っておくことが大切です。
やるべき5つの準備
おひとりさまの終活で特に重要な5つの準備を順番にご紹介します。
1. 死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後に必要な事務手続き(葬儀の手配、役所への届出、住居の片付け、各種契約の解約など)を、生前に信頼できる第三者に依頼しておく契約です。
行政書士や弁護士、あるいは社会福祉協議会などが受任者となることが多く、契約内容や費用は事前に取り決めます。おひとりさまの終活では最も重要な準備の一つです。
2. 任意後見契約
任意後見契約とは、将来自分の判断能力が低下したときに備えて、あらかじめ信頼できる人に財産管理や契約手続きを委任しておく制度です。
元気なうちに公正証書で契約を結んでおき、実際に判断能力が低下した段階で家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任することで、契約が発効します。認知症への備えとして有効な手段です。
3. 遺言書の作成
財産の行き先を自分の意思で決めるためには、遺言書の作成が不可欠です。
遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。自筆証書遺言は手軽に作成できますが、書式に不備があると無効になるリスクがあります。確実性を重視するなら、公証役場で作成する公正証書遺言がおすすめです。
お世話になった方への遺贈や、慈善団体への寄付なども遺言書で指定できます。
4. エンディングノート
法的効力はありませんが、エンディングノートに葬儀の希望、連絡先一覧、医療・介護の意思表示などを書き留めておくことは、周囲の人にとって大きな助けになります。
特におひとりさまの場合、自分の情報を知る人が限られるため、エンディングノートの存在を信頼できる人に伝えておくことが重要です。
5. 財産・口座の整理
複数の銀行口座や保険、不動産がある場合は、できるだけ整理・集約しておきましょう。使っていない口座は解約し、財産の一覧表を作っておくことで、死後の手続きがスムーズになります。
クレジットカードやサブスクリプション(定額課金サービス)の契約も忘れずにリストアップしておきましょう。
相談先と専門家の活用
おひとりさまの終活では、一人で抱え込まず、専門家や公的機関のサポートを積極的に活用することが大切です。
行政書士・弁護士
遺言書の作成、死後事務委任契約、任意後見契約など、法的な手続きが必要な場面では行政書士や弁護士に相談しましょう。終活に詳しい専門家を選ぶことがポイントです。
自治体の相談窓口
多くの市区町村では、高齢者向けの終活相談や「終活ノート」の配布を行っています。無料で利用できるため、まず最初の相談先としておすすめです。お住まいの地域の地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。
社会福祉協議会
各地域の社会福祉協議会では、日常生活自立支援事業や成年後見の相談など、おひとりさまの生活を支えるサービスを提供しています。死後事務委任契約の受任を行っている社会福祉協議会もあります。
終活のご相談はぶつえいどうへ
ぶつえいどうでは、おひとりさまの終活に関するご相談も承っております。葬儀やお墓のことはもちろん、「まず何から始めたらいいかわからない」という方も、どうぞお気軽にお声がけください。
必要に応じて、信頼できる専門家(行政書士・弁護士など)をご紹介することもできます。
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